【ITパスポート試験2】業務分析が苦手でも大丈夫!データで解決しよう

ITパスポート(iパス)

「業務分析とデータ利活用」に関するブリーフィング・ドキュメント
エグゼクティブ・サマリー
本ブリーフィングは、ITパスポート試験のシラバスに含まれる「業務分析とデータ利活用」のセクションを分析し、その核心的なテーマと概念を統合したものである。この領域の主目的は、身近な業務を体系的に分析し、データの活用を通じて問題を解決するための代表的な手法を習得することにある。
主要な柱は以下の5つの要素で構成される:
1. 業務の把握: アンケートやインタビューなどの手法を用いた情報収集と、業務フロー図によるプロセスの可視化。
2. 業務分析と業務計画: パレート図や回帰分析などの手法を用いた定量的分析、およびグラフやチャートを駆使した効果的なデータ可視化技術。
3. データ利活用: データの種類を理解し、名寄せや欠損値処理などの前処理から、統計的バイアスを避けた適切な分析、データサイエンスやビッグデータ分析の実践までを網羅する。
4. 意思決定: デシジョンツリーやシミュレーションといったモデルを用いて、与えられた条件下で最適な解決策を導き出すプロセス。
5. 問題解決手法: ブレーンストーミングなどの創造的な手法を用いて、問題の本質に迫るための基本的なアプローチ。
全体を通じて、PERTやABC分析といった具体的な分析ツールの活用能力だけでなく、相関と因果の区別、不適切なグラフによる誤解の回避、ドメイン知識の重要性といった、データを取り扱う上での批判的思考力と倫理観が重視されている。
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1. 業務の把握
業務内容を正確に理解することは、あらゆる分析と改善の出発点となる。この段階では、情報収集とプロセスの可視化が中心的な活動となる。
• 情報収集手法:
◦ アンケート: 広範囲の対象者から定量的なデータを収集する。
◦ インタビュー: 対象者から詳細かつ深い情報を得る。以下の形式がある。
▪ 構造化インタビュー: 事前に決められた質問を順に行う。
▪ 半構造化インタビュー: 主要な質問は決まっているが、状況に応じて深掘りする。
▪ 非構造化インタビュー: 大まかなテーマのみ設定し、自由な対話形式で進める。
◦ フィールドワーク: 実際の業務現場に入り、観察や体験を通じて直接的に情報を収集する。
• ビジュアル表現:
◦ 業務フロー: 業務のプロセス、手順、担当部署間の関係などを図式化し、業務全体の流れを視覚的に把握する。
2. 業務分析と業務計画
収集した情報とデータを基に、現状を分析し、改善計画を立案するフェーズである。ここでは、図式を用いた分析手法と、データを視覚的に伝える可視化技術が鍵となる。
2.1 業務分析手法
業務の課題や特性を明らかにするため、代表的な図式や分析手法が用いられる。
• 主要な分析手法:
◦ パレート図: 問題や原因を項目別に分類し、影響度の大きい順に並べたグラフ。重要な少数(Vital Few)に焦点を当てる際に活用される。「パレート図を使った業務改善」が活用例として挙げられている。
◦ ABC分析: 在庫管理などで用いられ、重要度に応じて対象をA、B、Cのランクに分類し、管理に濃淡をつける手法。
◦ 特性要因図(フィッシュボーンチャート): ある問題(特性)に対して、その原因(要因)を体系的に整理するための図。
◦ 管理図: プロセスの状態が安定しているか否かを判断するために、時系列データをプロットし、管理限界線と比較するグラフ。
◦ 系統図: 目的を達成するための手段をツリー状に展開し、最適な方策を探る手法。
◦ PERT(アローダイアグラム): プロジェクトの各作業の関連性と順序をネットワーク図で示し、日程計画を立てる手法。
◦ クリティカルパス分析: PERT図において、プロジェクト全体の所要期間を決定する最も時間のかかる経路(クリティカルパス)を特定する分析。
◦ 最小二乗法・回帰分析: 2つの変数間の関係性を数式モデルで表現し、一方の値からもう一方の値を予測する。「回帰分析を使った業務改善」が活用例とされる。
◦ 相関と因果: 2つの事象が連動して変化する「相関関係」と、一方が原因で他方が結果である「因果関係」を明確に区別することの重要性が示唆される。
◦ 擬似相関: 2つの事象に直接の因果関係がないにもかかわらず、見かけ上の相関関係が存在する状態。
2.2 図表、グラフによるデータ可視化
分析結果を他者に効果的に伝え、理解を促すためには、データの可視化が不可欠である。
• 可視化の要点:
◦ 目的適合性: 伝えるべきメッセージや目的に応じて、最も適切なグラフや図表を選択する。
◦ 倫理的配慮: 意図的に誤解を招くような不適切なグラフを作成せず、また他者が作成したそのようなグラフに騙されないリテラシーを持つ。
◦ ツール活用: ソフトウェアパッケージなどを利用して、データの整理、検索、分析、加工、表現を効率的に行う。
• 代表的な可視化手法・用語:
◦ 基本グラフ: 棒グラフ、折れ線グラフ、散布図、ヒストグラム
◦ 多角的表現: マトリックス図、箱ひげ図、ヒートマップ、レーダーチャート、モザイク図
◦ 複合的表現: 複合グラフ、2軸グラフ
◦ 構造表現: ロジックツリー、コンセプトマップ
◦ データ形式: CSV(Comma Separated Value)、シェープファイル
◦ テキスト分析: 共起キーワード
◦ 集計表: クロス集計表、分割表
◦ 相関表現: 相関係数行列、散布図行列
◦ 注意すべき概念: チャートジャンク(グラフ上の不要な装飾)
• 優れた可視化の事例:
◦ 多次元の可視化
◦ 関係性の可視化
◦ 挙動・軌跡の可視化
◦ リアルタイム可視化
◦ テキストデータの可視化
3. データ利活用
データをビジネス上の価値に転換するためには、収集から分析、解釈に至る一連のプロセスを理解する必要がある。
3.1 データの種類及び前処理
分析の質は、元となるデータの質と、それを適切に処理する能力に大きく依存する。
• データの種類:
◦ 収集源: 調査データ、実験データ、人の行動ログデータ、機械の稼働ログデータ、GISデータ
◦ 性質: 量的データ、質的データ
◦ 入手経路: 1次データ(自ら収集)、2次データ(他者が収集)
◦ データ構造: 構造化データ、非構造化データ
◦ 時間軸: 時系列データ、クロスセクションデータ
◦ 付加情報: メタデータ
• データ前処理:
◦ サンプリング: 大量のデータから分析対象となる部分集合を抽出する。
◦ 名寄せ: 異なるデータソースに含まれる同一の対象(個人、企業など)を特定し、統合する。
◦ 品質確保: データの外れ値、異常値、欠損値の特定と適切な処理を行う。
◦ 意味付け: アノテーション(データへのタグやメタデータの付与)。
◦ 時系列処理: 季節調整、移動平均の算出。
◦ 非構造化データ処理: 自然言語処理、画像処理。
3.2 データ分析における統計情報の活用
データ分析においては、統計的な知識を正しく活用し、誤った結論を導かないように注意する必要がある。
• 分析の心構え:
◦ ドメイン知識: 対象となる業界や専門分野に関する知識の重要性。
◦ 現場確認: データが発生した現場を実際に確認し、背景を理解することの重要性。
◦ 客観的解釈: データが何を意味するかを適切に把握し、統計情報の誇張表現に惑わされない。
• 統計に関する主要用語:
◦ 母集団と標本: 全体(母集団)から一部(標本)を抽出(標本抽出)して分析する。
▪ 調査の種類: 国勢調査、アンケート調査、全数調査
▪ 抽出法: 単純無作為抽出、層別抽出、多段抽出
◦ 仮説検定: データを用いて仮説が正しいかどうかを統計的に判断する手法。
▪ 関連用語: 有意水準、第1種の誤り(偽陽性)、第2種の誤り(偽陰性)
◦ 精度と偏り: 分析結果のばらつき(精度)と、真の値からのかたより(偏り)を理解する。
◦ バイアス:
▪ 統計的バイアス: 選択バイアス、情報バイアスなど、データの収集や分析過程で生じる系統的な誤差。
▪ 認知バイアス: 人間の思考の癖によって生じる非合理的な判断。
3.3 データサイエンス、ビッグデータ分析
大量かつ多様なデータを扱うことで、これまで見過ごされてきた事象の背景や意味合いを解き明かす。
• データサイエンスの要点:
◦ データの特徴を読み解き、起きている事象の背景や意味を探る。
◦ データから一般的な法則や知見を見出す帰納的推論の重要性、利点、欠点を理解する。
• 関連用語:
◦ BI(Business Intelligence): 企業データを収集・分析し、経営上の意思決定に役立てる手法やツール。
◦ データウェアハウス: 意思決定支援のために、様々なシステムからデータを集約・整理・蓄積するデータベース。
◦ データマイニング: 大規模データから統計的なパターンや関係性を発見する技術。
◦ ビッグデータ: 量、種類、更新頻度などの点で従来のデータベースでは扱いきれない巨大なデータ群。オープンデータやパーソナルデータなどに分類され、その活用方法と留意点(課題)を理解する必要がある。
◦ テキストマイニング: テキストデータから有益な情報を抽出する技術。
◦ データサイエンスのサイクル: データサイエンスにおける一連のプロセス。
◦ データサイエンティスト: データサイエンスに関する専門的なスキルを持つ人材。
4. 意思決定
分析を通じて得られた知見を基に、問題を解決するための効率的な意思決定を行う。

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