ITパスポート試験 1
ITパスポート試験範囲:経営・組織論の概要と重要用語解説
本ドキュメントは、ITパスポート試験の範囲である「経営・組織論」について、その目標、概要、および関連する重要用語を包括的に解説するものです。
分野の目標と概要
この分野では、企業活動全般と経営管理に関する基本的な考え方を理解することが目標とされています。担当業務を遂行する上で、企業の基本的な活動全体を把握し、業務上の問題を的確に把握・解決するために必要なPDCAなどのフレームワークや手法を習得することが求められます。
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1. 企業活動と経営資源
企業活動の目的や基本的な考え方、経営の根幹をなす「ヒト、モノ、カネ、情報」といった経営資源に対する管理手法の意義を学びます。また、企業の存在意義を示す企業理念、ミッション、ビジョンといった概念も含まれます。
主要用語解説
• 経営理念(企業理念): 企業の創業者や経営者が示す、その企業の活動の根本となる基本的な考え方や価値観。企業の存在意義や社会的使命を定義するもの。
• MVV(ミッション、ビジョン、バリュー): 企業の方向性を定める3つの要素。
◦ ミッション(Mission): 企業が社会において果たすべき使命や存在意義。
◦ ビジョン(Vision): 企業が将来的に目指す、ありたい姿。
◦ バリュー(Value): 企業の従業員が共有し、行動の指針とすべき価値観や信条。
• 人的資本経営: 従業員を単なる労働力(コスト)ではなく、知識やスキル、経験を持つ「資本」と捉え、その価値を最大限に引き出すことで企業価値の向上を目指す経営手法。
• パーパス経営: 企業の社会的な存在意義(Purpose)を経営の中核に据え、利益追求だけでなく社会貢献を両立させることを目指す経営スタイル。
• 株主総会: 株式会社の最高意思決定機関。株主が出席し、会社の経営に関する重要事項(決算の承認、役員の選任など)を決議する会議。
• 決算: 一定期間(通常は1年間)の企業の経営成績(儲け)と財務状態(資産・負債)を明らかにするために、会計帳簿を整理・集計する手続き。
• 社会的責任(CSR: Corporate Social Responsibility): 企業が利益を追求するだけでなく、従業員、顧客、取引先、地域社会、環境など、様々なステークホルダに対して責任ある行動をとるべきだという考え方。
• 社会的責任投資(SRI: Socially Responsible Investment): 企業の財務状況だけでなく、CSRや環境への取り組みなどを評価基準に加えて投資先を選別する投資手法。
• ディスクロージャー: 企業が投資家や取引先などの利害関係者に対し、経営内容や財務状況などの情報を公開すること。情報開示。
• 監査: 企業の財務諸表や業務活動が、法令や社内規程などに従って正しく行われているかを、独立した第三者(監査人)が客観的に調査・評価し、意見を表明すること。
• グリーンIT: 情報通信技術(IT)を活用して、社会全体の省エネルギー化や環境負荷の低減に貢献する取り組み。また、IT機器自体の省電力化や資源の有効活用も指す。
• カーボンフットプリント: 個人や団体、製品などが、その活動や製造プロセスを通じて排出する温室効果ガス(特に二酸化炭素)の総量を、CO2量に換算して表示したもの。
• SDGs(Sustainable Development Goals): 「持続可能な開発目標」と訳される、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。17のゴールと169のターゲットから構成される。
• ステークホルダ: 企業活動に関わるすべての利害関係者のこと。株主、経営者、従業員、顧客、取引先、金融機関、地域社会、行政機関などが含まれる。
• コーポレートブランド: 企業そのものが持つブランド価値。企業理念や事業活動、社会貢献活動などを通じて形成される、消費者や社会からの信頼や共感の総体。
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2. 経営管理
経営目標の達成に向けた組織的な活動全般を指す「経営管理」の基本的な考え方を学びます。計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)のサイクルであるPDCAや、人的資源管理(HRM)の重要性について理解を深めます。
① 経営管理とは:主要用語解説
• 経営目標: 企業が経営活動を通じて達成しようとする具体的な目標。売上高、利益率、市場シェアなどが含まれる。
• 財務・資産・人事・情報管理: 経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を効率的・効果的に管理すること。それぞれ、資金繰りや投資、設備や在庫、採用や育成、データやシステムなどの管理を指す。
• PDCA(Plan-Do-Check-Act): 業務プロセスの管理・改善手法の一つ。計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Act)というサイクルを繰り返すことで、継続的な業務改善を目指す。
• OODAループ: 意思決定と行動のフレームワーク。観察(Observe)→状況判断(Orient)→意思決定(Decide)→実行(Act)のサイクルを迅速に回すことで、変化の速い状況に即応する。
• BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画): 災害や事故などの緊急事態が発生した際に、中核となる事業を中断させず、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順などを示した計画。
• BCM(Business Continuity Management:事業継続管理): BCPを策定し、その維持・更新や、従業員への教育・訓練などを通じて、事業継続を効果的に行うためのマネジメント活動全般。
• リスクアセスメント: 組織の活動に伴う様々なリスクを特定し、その発生可能性や影響度を分析・評価して、対策の優先順位を決定する一連のプロセス。
② ヒューマンリソースマネジメント:主要用語解説
• コーチング: 対話を通じて相手の自己発見や成長を促し、目標達成に向けた自発的な行動を引き出す人材開発手法。
• メンタリング: 経験豊富な先輩社員(メンター)が、後輩社員(メンティ)に対して業務上の指導やキャリアに関する助言、精神的なサポートを行う制度。
• OJT(On-the-Job Training): 実際の職場で実務を通じて業務に必要な知識やスキルを習得させる教育訓練手法。
• Off-JT(Off-the-Job Training): 職場を離れて行われる教育訓練。集合研修、セミナー、外部講習会など。
• e-ラーニング: パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスとインターネットを利用して学習を行う形態。
• リスキリング: 技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために、既存の業務で必要とされなくなるスキルから、新たに必要とされるスキルを習得すること。
• アダプティブラーニング: 学習者一人ひとりの理解度や進捗状況に合わせて、学習内容や難易度を最適化する教育方法。AI技術などが活用される。
• CDP(Career Development Program): 従業員のキャリア開発を支援するための計画的なプログラム。個々のキャリア目標と会社のニーズをすり合わせ、育成計画を策定・実施する。
• メンタルヘルス: こころの健康状態。企業では、従業員のストレス管理や精神的な健康を維持・増進するための取り組みが重要視される。
• HRテック(HRTech): 人事(Human Resources)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語。AIやクラウドなどを活用して、採用、育成、評価などの人事業務を効率化・高度化するサービスや技術。
• MBO(Management by Objectives and self-control:目標による管理): 個人またはグループごとに目標を設定し、その達成度合いで評価を行う人事評価制度。従業員の自主性やモチベーション向上を目的とする。
• HRM(Human Resource Management): 人的資源管理。従業員を経営の重要な資源と位置づけ、その能力を最大限に引き出すための戦略的な採用、育成、評価、配置などを行う管理手法。
• リテンション: 従業員の定着、離職防止のための施策。働きやすい環境の整備やキャリア支援などを通じて、優秀な人材を確保し続けることを目指す。
• タレントマネジメント: 従業員一人ひとりのスキルや経験、資質(タレント)を一元的に管理・把握し、戦略的な人材配置や育成に活かす仕組み。
• リーダーシップ: 設定した目標を達成するために、チームや組織を導き、動機づける能力。
• モチベーション: 人が目標に向かって行動を起こし、それを維持するための動機や意欲。
• ワークエンゲージメント: 仕事に対してポジティブで充実した心理状態。「熱意」「没頭」「活力」の3要素で構成される。
• ワークライフバランス: 仕事と私生活の調和。どちらかを犠牲にするのではなく、両方を充実させることで相乗効果を生み出す考え方。
• DE&I(Diversity, Equity & Inclusion):
◦ ダイバーシティ(Diversity): 多様性。性別、年齢、国籍、価値観などの多様な人材を組織に活かすこと。
◦ エクイティ(Equity): 公平性。個々の違いを考慮し、すべての従業員に公正な機会を提供すること。
◦ インクルージョン(Inclusion): 包摂。多様な人材が組織の一員として尊重され、能力を最大限に発揮できる状態。
活用例
• リーダーシップの在り方:
◦ コンティンジェンシー理論: どのような状況でも常に有効な唯一最善のリーダーシップスタイルは存在せず、状況に応じて最適なスタイルは変化するという考え方。
◦ シェアードリーダーシップ: 特定のリーダー一人に権限を集中させるのではなく、状況に応じてチームの各メンバーがリーダーシップを発揮するスタイル。
◦ サーバントリーダーシップ: リーダーがまず奉仕(Serve)することに徹し、その後チームを導く(Lead)という考え方。部下の成長を支援し、信頼関係を築くことを重視する。
• 多様な働き方への取組(テレワークの類型):
◦ 在宅勤務: 自宅を就業場所とする働き方。
◦ モバイルワーク: 移動中の交通機関や顧客先、カフェなど、場所に縛られずに働く形態。
◦ サテライトオフィス勤務: 本社や支社以外の場所に設けられた小規模なオフィスで働く形態。
◦ ワーケーション: 仕事(Work)と休暇(Vacation)を組み合わせた造語。観光地などで休暇を楽しみながら働くスタイル。
◦ 経営上の留意点: 労務管理(労働時間の把握など)が困難になる点などが挙げられる。
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